
【あらすじ】
愛する家族より自分らしく生きることを選んだ警官のスティーヴン(ジム・キャリー)。
しかし、ボーイフレンドと派手な生活をするために詐欺師となり、あえなく刑務所行きに。
そこで今度はフィリップ(ユアン・マクレガー)に一目ぼれし、自分は弁護士だとうそをつく。
釈放後、晴れて幸せを手に入れた二人だったが、スティーヴンはさらなるうそと不正を重ねていき……。
【解説】
刑務所内で出会った運命の相手に「愛してる」と伝えるため、詐欺と脱獄を繰り返した男の実話を基にしたドラマチックなラブストーリー。
妻子を愛する平凡な男から一転して本当の自分として生きるつもりが、愛のためにうそを重ねてしまう主人公とその恋人を演じるのは、『Disney's クリスマス・キャロル』のジム・キャリーと『スター・ウォーズ』シリーズのユアン・マクレガー。
本作で初メガホンを取るのは、『バッド・サンタ』などで脚本を手掛けるグレン・フィカーラとジョン・レクア。
ジムとユアンの二大カメレオン俳優の豪華競演が見どころだ。

【おすすめ度】★★★
運命の相手に『愛している』と伝える為、詐欺と脱獄を繰り返す男のラブストーリー。
・・・但し、運命の相手は女性ではありません。
“男同士”のラブストーリーです。
一歩間違えたらどっぷりとその手の方向に進みそうなゲイムービー。
ゲイ同士のラブラブなカラミもあり、おいおい・・・と敬遠してしまいそうなプロットですが、実際観賞すると不快感はそれ程ありません。
コメディタッチな脚本もさることながら、われらがジム・キャリー、そしてユアン・マクレガーのラブリーな好演が、本作を面白可笑しく、ギリギリ!爽やかに仕上げています。
やさしく頼りになる兄貴なジムと、子犬のようなユアンのカップル。
兎にも角にもこの二人のカップルが、しっくりハマッているのです。
当然、刑務所での仲良い暮らしは続かず二人は引き離されてしまいますが、ここからジム・キャリーらしさが全開します。
IQ167である天才詐欺師の強引かつ周到な騙しっぷりと、人たらしなキャラクター。
みるみるリッチになっていく彼のサクセスストーリーは観ていて爽快感があり、これらが実話に基づいているというから驚きです。
そして最後にはどシリアスな展開も待っていて、コメディだけで終わらない脚本の巧みさが光ります。
二転三転、紆余曲折する二人の愛。
はらはらしつつも、ジム・キャリーらしい熱演は、自分らしさを見失わない事、そして一途な愛のカタチをしっかりと教えてくれる立派な(?)ゲイ・ラブ・ストーリーでした。